今週10月29日、世界銀行グループの主要調査レポートのひとつである『ビジネス環境の現状』(Doing Business)の最新版が公開された。

29日に発表された『ビジネス環境の現状2015年版』(原題:「Doing Business 2015 ~Going Business Efficiency」は、今回で第12回目となる調査の分析結果をまとめたレポート。今回は世界189の地域を対象に調査分析が実施されている。

『ビジネス環境の現状2015』では、「開業」、「建設認可」、「貿易」、「納税」など10項目を指標として取り上げ、その国の企業のライフサイクルを通じて適用される規制を分析し、事業運営の難易度を示している。

最新版の総合ランキングでは、昨年に引き続きシンガポールが1位。

つづいて、ニュージーランド、香港と続き、韓国、米国、英国、北欧3国がランクインしている。日本は29位。

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(表は当社作成。クリックで拡大)

このレポートは、財務管理の質、マクロ経済の安定性、労働者の技術レベル、金融システムの耐性などは調査対象外としているため、ビジネス環境の全側面からの評価はできないが、ビジネスのリスクを考える上で参考となる。

また、昨年6月に日本政府が発表した「日本再興戦略(成長戦略)」の中の目標のひとつとしても、この「ビジネス環境」ランキングが適用されている。

 

東南アジア・中国と比較した日本のランク

日本と中国・東南アジアの主な国を見てみると、シンガポール、香港のほか、マレーシア、台湾、タイが上位に入っている。

 

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(表は当社作成。クリックで拡大)

今回のレポートを執筆した主要メンバーである世界銀行の担当者は、
「2005年以来、東南アジア地域は世界の先進的事例とのギャップが小さくなってきた。この10年間で、各国の規制が改善されて事業運営がしやすくなり、このため各国の起業家にとってビジネスの機会がますます大きくなっている」と述べている。

特にベトナムは最も大きくランクを伸ばしており、昨年の世界ランク99位から今回は78位になり、21ランクも上昇した。影響を及ぼしたベトナムのこの一年の変化として、新しいクレジットビューロー(信用情報機関)が設立され資金調達に関わる情報入手プロセスが改善されたこと、法人税率が引き下げられ企業にとって納税のコスト負荷が軽減されたことなどがレポート内で指摘されている。

 

10項目別ランキング

指標の10項目について項目別のランキングをみると以下のような結果が出ている。

《開業、建設許可取得、電力受給、不動産登記、資金調達、投資家保護、納税、貿易、契約執行、破綻処理の10項目》

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(表は当社作成。クリックで拡大)

日本は、「納税」のランクが極端に低く、この結果、総合ランクもGNIの高い先進国の中で低くなっている。
唯一、世界トップ10ランクに入った項目は、「破たん処理」。
事業を始めにくく、「納税」も大変だが、破綻した際の処理は世界トップレベル・・・という状況である。

シンガポール、マレーシア、香港、台湾など、起業家がどんどん生まれるような「ビジネス環境」は、今、アジアで広がっている。[執筆: CMSアジアリサーチ事業部]

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