先週11月20日、スイスのビジネススクールIMDが「World Talent Report2014」(世界人材競争力レポート)の最新結果を発表した。

このグローバル調査は世界60ヵ国を対象とし、統計データおよびアンケート結果をもとに各国の企業が有能人材を確保する力を数値化してランキングしている。

トップは8年連続でスイス。IMD(本拠地・スイス・ローザンヌ)が調査主体であることと関連があるのか全体的に欧州の国が上位に位置しているが、その中でもマレーシアが「60ヵ国中5位」(アジアトップ)と高い評価を得ている。

 

60ヵ国総合ランキング

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(クリックで拡大、IMDデータをもとに当社作成)

マレーシアは昨年9位で今年は4ランクアップした。
このほか、アジアの各国をみると「シンガポール=16位」(昨年から1ランクアップ)、「香港=21位」(2ランクダウン)、「インドネシア=25位」(7ランクアップ)、「台湾=27位」(4ランクダウン)、「日本=28位」(7ランクアップ)、「タイ=34位」(7ランクダウン)、「韓国=40位」(1ランクダウン、初の40位以下)、「フィリピン=41位」(12ランクダウン)、「中国=43位」(2ランクアップ)となっている。

調査方法は23項目におよぶ数値について、「投資・教育制度の質」、「人材確保力」、「人材対応力」の大きく3つのカテゴリに分けて集計・分析をして

いる。

従業員のモチベーションは高い日本

個別の項目結果を見てみると、日本は「人材獲得維持の優先度」(重要性)についての意識は高く、実際に企業で働く「従業員のモチベーション」も高い。どちらも「トップ10」に入っている。

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(クリックで拡大、IMDデータをもとに当社作成)

 

しかしながら、一部の項目が大きく足を引っ張り、結果的に総合ランクを28位に落としている。

まず、(企業ニーズを満たす)「ビジネスレベル言語能力」が60カ国中54位(アジア最下位)である。
これは「日本人が英語力が弱いのは仕方がない」と思いがちであるが、英語ネイティブの米国や英国もランクは高くなく、あくまでも「企業が求める言語スキル」が評価されている。

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(クリックで拡大、IMDデータをもとに当社作成)

 

マネジメント人材不足が大きな弱み

そして、今回、特徴的だったのは、日本の「管理職」に関する項目のランクの低さである。

 

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(クリックで拡大、IMDデータをもとに当社作成)

 

「有能な上級管理職人材の確保」は世界ワースト5位(60カ国中56位)。

また、「現実のビジネス要件に適合した管理職教育」については日本は49位。
シンガポール(3位)、マレーシア(10位)は世界のトップ10に入っており、香港、台湾、フィリピン、インドネシア、タイ、中国、韓国と続き、やはり日本がアジアの最下位になっている。

これでは、東南アジアや中国地域における自社拠点を統括管理する立場にいる日本企業の上級管理職(部長レベル)には有能な人材が多くなく、また管理職全体の教育レベルは各国のローカル管理職と比較して実効性が低いことになり、もはや「日本人は英語が苦手だから現地を上手くマネージできなくても仕方がない」などと言い訳できなくなる。「日本は総合28位、昨年より7ランクアップした」という結果に安心していられない状況だ。

日本企業のグローバルマネジメントとしての日本人管理職の位置づけとその人材要件、有効な獲得・育成方法などを今あらためて考えさせられるレポートである。

[執筆: CMSアジアリサーチ事業部]

 

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