先月17日、米国アップル社は中国の銀聯(union pay)社と提携し、中国国内での「App Store」の支払いに「銀聯」のアカウントを使った支払ができるサービスを提供すると発表した。
そのニュースリリース文では、同社の iTunes Storeを統括するインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長のエディ・キュー氏が「UnionPayでの決済は、中国顧客からの最も多いリクエストの1つだった」と述べている。

 

現在、中国はApp Storeでアメリカに次ぐ世界第2位の売上を持つ市場である。
この中国のEコマース市場のプレイヤーとして戦うには「中国特有の決済方式」に対応することが重要、ということが今回のアップルの提携からも明らかになっている。

中国銀聯(union pay)とは、中国のほとんどの銀行カードについているデビッド式決済機能(現在はクレジット機能もあり)。
中国政府主導で進めているデビット式決済機能で、これまでの発行枚数は45億枚を超えている。中国全土で普及し、世界140ヵ国でも使用可能だ。

日本や欧米において、Eコマースの決済(支払)手段として最も利用されているのはクレジットカードだが、中国ではネット取引の信頼性やセキュリティ問題などから、顧客の多くが「第三者決済機関」(現地呼称:第三方支付)を使用している。

 

中国のネット決済における「第三者支払決済」の取引量は、この2014年第3四半期に初めて2兆円を超えた。

昨年からの最新データが以下のグラフである。(四半期ごとの取引金額。単位=1億元)

 

決済2

(クリックで拡大。グラフは 当社リサーチ部作成)

 

昨年の同時期(2013年第3四半期)と比較して、「48.3%増」という、急激な伸びを示している。

 

 

決済会社のシェアを示す最新データをグラフにしたものが以下の図である。

決済1

(クリックで拡大。グラフは 当社リサーチ部作成)

 

1位の支付宝(AliPay)はアリババグループでEコマース(ネット通販の決済)に強く、2位の銀聯商務(CHINA UMS)はデビット決済が強い。

これらの決済会社のシェアを見ると、ほぼすべて中国の決済会社で占めており、米国PayPal(ペイパル)社も同機能サービスを提供しているが中国でのシェアは大きくない。

アップルが対応したように、日本企業が中国市場でEコマースを伸ばしていくには、ローカルに浸透したこの中国方式の決済機能を整備することが不可欠になっている。

[執筆: CMS中国リサーチ事業部]

 

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