シンガポールNPMローンチ講演で、外国人雇用規制についてリー首相が言及 

シンガポールのNational Productivity Month (NPM=生産性月間)が本日10月7日からスタート。
10月30日まで、Singapore Business Federation (シンガポールビジネス連盟。商工会議所の上位組織)とSingapore National Employers Federation(シンガポール雇用者連盟)の共同により各種イベントが実施されている。

初日である今日はシンガポール・シティエリアのサンテック国際会議場にてローンチ・カンファレンスが開催され、今朝9:30からのオープニングスピーチではリー・シェンロン首相が登壇し、外国人労働者雇用の必要性について言及した。

リー首相は、先週3日に行われたシンガポール国立大学ソサエティの60周年記念講演でも、シンガポールにおける外国人労働者雇用規制をこれ以上厳しくしない方向性である旨ををコメントしていたが、今日のスピーチでも、外国人雇用の国内経済への影響について、
在シンガポールの各企業が外国人労働者を雇用できれば人手不足が回避され労働環境が整い、より多くの企業が市場で生き残ることができ、その結果シンガポール国民の仕事が無くならない状況になるとし、改めて外国人雇用の必要性について語った。

しかしながらリー首相は、外国人雇用に関して、雇用人数をただ増やすのではなく、雇用を適切にコントロールすることによって従業員にプレッシャーを与え各自のレベルアップを促していくことが重要であり、外国人労働者層に依存することなく、これからも引き続き我々がしっかりとモニタリングしていかなければならないと強調。
また今年のNPMに際し「Productivity (生産性)」について「国家的努力(National effort)」として取り組んでいくことを表明しており、外国人雇用のコントロールにより、労働人口の安定化のみならずシンガポール全体の生産性向上の推進をめざす。

シンガポールでは2011年以降、外国人雇用に対する規制が厳しく改変されてきている。
特に、外国人の管理・専門職向けの労働ビザであり、日本企業のほとんどの駐在員が申請している「雇用許可書」(EP)の発給規制が厳しくなり、発給基準のひとつである最低月額給与額は2011年、2012年、2014年の3回にわたり引き上げられた。
現在は最低月給が3,300シンガポールドルで、学歴条件も厳格化されている。
また今年8月から、外国人の採用(EP 申請)の前にシンガポール政府管轄の人材バンクで現地人材を対象とした求人広告を掲載することが義務付けられた。

下記のとおり、シンガポール政府が発表しているここ数年のEP取得者数の推移データからも、2011年以降の外国人雇用規制の影響が見て取れる。

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シンガポール国内の外国人労働者数(EPレベル)

[2009年12月末] 11万4,300人
[2010年12月末] 14万3300人  (前年25%増)
[2011年12月末] 17 万5,400人 (同22%増)
[2012年12月末] 17 万3,800人 (同1.0%減)
[2013年12月末] 17 万5,100人 (同0.7%増)

[最新公表] 17万6,600人 (2014年6月末現在)

<データ出典:シンガポール人材開発省(MOM) , 2014年9月25日更新 外国人労働者数データ>
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昨年ジェトロが実施した「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」でも、シンガポールに進出した日系企業の4割がシンガポール市場のリスクとして「労働力の不足・人材採用難」を挙げているが、依然としてシンガポールでの外国人雇用認可の動向は不透明であり、このように自国の駐在派遣要員増強による現地の体制づくりが期待できない状況下において、日本企業を含む「外資系企業」には、東南アジアビジネス成功のカギとなるローカル人材の獲得・リテンション競争に乗り遅れないための人材戦略が求められている。[執筆: CMSアジアリサーチ事業部]

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