レノボ(Lenovo)はIBMのX86事業を21億米ドルで買収、法人市場へ布陣する

レノボ(Lenovo)は現在、2つの路線で事業拡大をしている。
1つは、PC事業から、PCや法人市場、モバイルインターネットのトロイカ体制へ、もう一方は、グローバル化を通じて事業へと拡大することだ。

レノボにとって、IBMのPCD(個人PC事業)の買収は、グローバル化に向けた大きな一歩だが、IBMのx86サーバ事業を取得したことは、事業多角化の大きな一歩と言える。コンシューマー向けビジネスでここまで成長したレノボにとって、法人事業は多角化に向けた重要な局面である。

9月29日、レノボグループCEOのヤン氏が現地メディアの取材時に、「8ヶ月の努力を経て、私たちはすべての文書を提出し、IBM X86サーバ事業の買収を正式に完成させた。」、「これはレノボにとってもう一つの歴史的なマイルストーンだ」と話した。

IT端末メーカーにとって、今の時代は事業転換するときである。HPはビジネスの重点を法人向けとコンシューマー向けの両方から、法人向けメインにシフトした。Dellはコンシューマー事業から法人向けに転換、IBMはソフトウェア・ハードウェア両方からソフトウェア・サービス事業へと変換している。これらのグローバルメーカーと違うのは、転換の過程でありながらレノボは“二兎”を追い、その両方を得ようとしているところだろう。法人向けとコンシューマー向けの移動端末、いずれもトップを取ろうと考えているのだ。また、レノボはグローバルメーカーを追随する戦略を取っており、この姿勢からも、勝算のない戦いはしないというレノボの性格がよく表れている。

そんなレノボにとって、法人市場への参入には切り口は必要でX86サーバ事業がその選択肢になり、2014年の初め、レノボとIBMは買収計画を発表した。当初の発表では、レノボによる買収金額は23億米ドル、うち20億は現金、残りはレノボの株で支払われる予定であったが、デューデリを経ての実際の取引総額21億米ドル、うち18億ドルは現金、残りの約2.8億ドル相当分はレノボの株であると言われている。これによりレノボが手に入れたのは、System xブランド、6500名の経験豊富な従業員、34か所の研究室、7つの製造工場、1100件の特許とアプリケーション、そして完成度の高い法人向け製品である。これにより、レノボは法人向け事業の布陣を完成させ、グローバル市場で新たな成長領域を迎える。

更に、レノボはグーグルから移動端末老舗メーカーのモトローラを買収する計画もある。まだ進行中ではあるが、2件の大型買収により、移動端末とサーバの国際市場への参入を図ろうとしているのは間違い。また、レノボは新しい移動端末4Gスマホ携帯の4機種を発売し、全てFDD+TD LTEの2種類が4Gネットワークに対応している。そして、アンドロイドシステムをベースに改良されたVIBE UIシステムの開発も進めているが、レノボの移動端末事業は一部の新興国市場に限られているため、未だグローバルメーカーとは言えないのが現状だ。

ヤンCEOの目標は、サーバ市場のトップ企業ではなく、世界的な情報機器メーカーとしてのトップ企業になることである。21億米ドルの買収で、また一歩目標に近づくだろう。

[執筆: CMS中国リサーチ部]
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