中国は世界最大のグリシン生産国、今後5カ年の市場は楽観的予測

グリシン(glycine)はアミノ酸の一種で「アミノ酢酸」(C2H5NO2)とも呼ばれ、製造方法及び製品の純度によって、食品グレード、医薬品グレード、飼料グレードと工業用グレードの4つに区分される。重要なファインケミカル中間体として農薬、医薬、食品、飼料などの分野で広く使用されている。

近年、中国のグリシン産業は急速に発展している。2002年に年間7万トンだった国内のグリシン生産能力は、2008年に25万トンと規模が3倍以上に伸び、さらに2010年には、グリシンを主成分とする除草剤「グリホサート」の需要に牽引されてグリシン産業は大きな成長を遂げ、その生産能力は拡大し続けてきた。

2010年末にグリシンが供給過剰になり、一時的に業界の生産稼働率は50%以下の低水準に下がり成長が危ぶまれた。しかしながら、2013年5月には米国環境保護庁(EPA)がグリホサートの残留基準を大幅に引き上げ、米国政府は輸出相手国政府にも残留基準の緩和を要請。これに応じた日本の厚生労働省、オーストラリア、英国などもグリホサートの大豆の残留基準を引き上げた。これらの環境保護基準の変更でグリホサート消費量の増加が加速し、また、グリシン生産事業に新規参入する企業数が減少したことにより、以降グリシン業界における生産過剰の状況は解消されている。

昨年2013年のグリシンの中国国内の生産能力は34万トンで、実際の年間生産量は29.9万トン、輸出量は8万トンであり、中国は世界一のグリシン生産国となった。

業界関係者は、グリホサートの需要の伸びと同時に製品価格も上昇傾向にあり、今後5年間のグリシン市場の展望は明るいと分析している。

[執筆: CMS中国リサーチ部]

 

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